子供達の学力が低下してしまったので、今度は一転して授業時間の増加をするようです。それもゆとり教育にする以前にも増して。ゆとり教育をしてよかったという評価はないのはちょっと寂しいです。授業時間を減らせば、子供達はその時間勉強しないで他のことをするのですから、そりゃあ学力は多少下がるのが当然でそれは覚悟のことだったのではないかと思うのですが、国際的に学力が低下したとちょっと言われたくらいで方針を180度変えるというのではあまりも情けないです。授業時間を減らした分、子供達はみんなその時間を他のことに使ってそれを糧に授業では得られない成長をしているに違いないのに、そういうところには目が向いていません。非常に残念です。
 去年厚生労働省介護保険制度、障害者福祉制度を財政支質削減のためそれまでの拡充政策を一転させ大きく後退させましたが、今回の教育改革はそれとよく似ています。厚生労働省文部科学省のみなさんは、市場原理とか力学的構造というものにあまり配慮しない傾向があります。日銀とまでは行かなくても、常に自分の行った政策に対して世の中が予測どおりの反応ばかりするのではなく、予測不可能な多くの事と影響しあって動いていくということを意識してもらえるとありがたいと思います。そう、どんなことにもみんな「神の見えざる手」が働いていると思わなければなりません。昨日までの政策を180度変えることがどんなに大きな影響を社会に与えるか、誰にも予測できないのです。世の中の反応を見ながら少しずつ軌道修正するということがなぜできないのでしょうか。不思議でなりません。